小学6年生シリーズ スピンオフ 【スケバン物語】

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1986年
私の生まれ育った町は、元漁師町。
新興住宅地ではなく地元の中の地元で手荒な大人が多かった。
銭湯に行けば、背中に彫り物だらけ。
おじいちゃんから私たちのお父さんの年代までは、その雰囲気を色濃く残す。

私の通う中学はかなり荒れていた!
私は早々にヤンキーに取り囲まれてしまう。
しかしその時に現れたのは?

今回は、小学6年生の時に現れた、もう1人の女子のお話です。

小学6年生
スピンオフ

【スケバン物語】


\本編小学6年生シリーズはこちら/

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目次

いつもひとりの危険な子

私は、小学6年生に上がる時に地域の学区編成というものにあった。

学区編成とは、簡単に言うと、地域の学校生徒数が多かったり少なかったりとバランスが悪くなり、均等になるよう区域の境界線を変えること。

小学6年生から1年間だけ違う小学校、私たちのお母さんは「6年生はかわいそうだ」と抗議をしてくれたが、無駄だった。

しかしこれが運命、この新学校で妻に出会いゆう子に出会い恩師にも出会う。

私の人生の、良い意味でも悪い意味でも本格的なドラマが始まったのはここからかもしれない。

話を戻そう。

やはり子供だ、自分のクラスにはすぐになじんだ。

もともとこの学校は2クラスしかなく(2クラスから3クラスに)、みんながみんな親しい間柄だったが私は何も知らない、すべての人間関係をゼロから始めなくてはならない。

それもいい、固定観念がなくナチュラルに友達を作ることが出来た。



私は、隣のクラスに何故かずっと気になる女子がいる。

なぜ気になるのか?

それは元々いる子なのに、いつも1人でいたからだ。

かと言っていじめられている様子もなく、休み時間はいつも廊下で外を見ている。

どちらかというと、みんなに避けられているようだった、学校もよく休む。

彼女の名前は大崎ゆう子(仮名)こちらもゆう子豊作世代、ややこしいので大崎と呼ぶ。

大崎は、とにかく怖い!目つきも鋭く、口もとんがらせ、完全に不貞腐れた顔をしていた。

普通にしていてこんな顔のようだ。

身長はそんなに高くないが、ムチムチとごっつい。

例えるなら浜口京子のものすごく不貞腐れた時のような。(もちろん浜口京子のそんな態度は見ないけど)

「気合いだ!気合いだ!気合いだ!

なんて大崎は言わない、とにかく無口。

ポケットに手を突っ込んでどこかを睨みつけている。

学校行事で、クラス前の廊下整列時も列には参加せずに離れた場所からトボトボついてくる。

アウトローだけど、私はそのような人をほってはおけない性格。



ある日、廊下にいる大崎に思いきって話しかけてみる。

「おまえなんでいつも怒ってんの」

「うっせーなコノヤロー、ほっとけよ!!」

ビビりました!私はビビりました。でもなんか気になる。

その日はビビって退散。

また廊下ですれ違った時に

「おまえ今日も怒ってんの?」

「うっせーな!おまえ誰だよ!」

「俺は○○小から来たワニオ、よろしくな」

「・・・・・・」

オイオイ今度はシカトかよ、でも気になる。



ある日のお昼休み、私はいつものようにゆう子のお胸ツンツンで追い回され逃げていた。

そんなさなか、廊下にいた大崎の前で上履きが脱げた!ズッコケてしまう。

大崎の目の前で倒れている私を、ゆう子はバッチンバッチンホウキで殴る。

ゆう子は、うつ伏せに倒れている私のお尻にとどめの浣腸!両手を合わせてダブル人差し指で!なんてやるわけない、ホウキの柄の部分でグッサリと。

今だから言うけど、このような時の女子の力加減バグっている、あんなに細い棒を一点集中でぶっ指したら口まで貫通するよ!(怒)

ビックんびっくんして動けない私、満足そうにクラスに戻るゆう子。

おもいっきり涙目のまま見上げた時、前に立っていた大崎と目が合う。

とっさに「全然痛くね~し」といきがる私。(半分泣いている)

大崎が笑った!

私も笑った!

笑いながら思った、コイツ笑うとけっこう可愛い。

「おまえ笑顔、可愛いじゃん」

「うっせ~なテメ~」

「照れてんじゃねーよバーカ」

「照れてねーよバーカ」

また2人で大爆笑!!

この汚い言葉使いにハマった瞬間だった。

この出来事から、仲良くはないが顔を見れば茶化しあう仲になった。

「テメ~何やってんだよバーカ」

「るせんだよバーカ」

「昨日は何で休んだんだよバーカ」

「だりんだよバーカ」

「おまえ笑顔が可愛いんだよバーカ」

「…バーカ」

と笑いあった。

1人の理由

イメージ

元々この学校にいるゆう子が私に言った。

「大崎さんとはあまりかかわらない方がいいよ」

ゆう子が教えてくれたのは、大崎の家庭環境と今までのトラブル。

お父さんは本物のその筋の人(これは噂)。
お母さんは早くに子供を置いて逃げたらしい。
家にはおばあちゃんがいるのだが、何もせずほったらかし。
お兄ちゃんはヤンキーのトップ、その界隈で名前を知らない人はいない。
(私たちが通う中学の3年生)
家は今にもつぶれそうなほどのプレハブ小屋(ゆう子と遊んだ時に教えてもらった)
そこにいつも怖いお兄さんたちがたむろしている。

大崎はとにかく暴力をふるうらしく、低学年の頃から男、女関係なくケンカをしていた。
やられた側や学校が大崎に文句を言おうものならお父さんが出てきて脅されるようだ。
だから今では誰も近寄らなくなった。

女の子なのにお母さんがいないのは寂しいだろうなと思った。

私はそれを聞いたからといって、大崎を軽蔑するつもりもない。

むしろ笑顔の中に優しさも感じていた。

しかし、6年生も後半になると大崎はほとんど学校に来なくなる。

夜な夜な街中をバイクの後ろに乗り走り回る大崎が目撃される。

なぜわかるかって?

それはノーヘルだから!

※ノーヘル・・・ヘルメットを被っていないこと

命の恩人

そういえば大崎は卒業式にも来ていない。



春休みが終わる頃。

私は、友達と3人で暇つぶしに市営の図書館に出掛けた。

当時、できたばかりの大きな図書館、どんな本でも置いてある。少しエッチなグラビア掲載の雑誌が目当てだったが。

大きな図書館の前には、これまた大きな駐車場があり、そのわきの一角には消防団の倉庫のような建物が建っていた。

3人で細い路地を自転車で進む、角を曲がると図書館の駐車場にでる。

この辺は昼間でも人気の少ない場所で、図書館の入り口まではまだかなりある。

私たちが、角を図書館に向かって曲がった時、

「おーい!止まれよ!」

図書館とは逆の消防団倉庫から声が聞こえた。

振り向くとそこには!?


ヤンキーが4人煙草を吸いながらガンつけていた!!
火消しと書かれたシャッターの前で煙草吸うなよ
(心の声)











一瞬で血の気が引いた!

見たことがある人だった、たしか1つ年上の先輩だ。でもただ見たことがあるだけ。

「テメーらこっち来いよ!!」

硬直する私たちに、向こうからこっちに来た。

おもいっきり自転車を蹴られる。

こんな絡まれることなんて初めての経験だから、どうしていいのか分からない。

逃げるのにしても図書館まではまだ遠い、
おお声で叫ぶのにしても人通りが無い。

ワンチャンお巡りさんが通ればセーフだが、そんな都合よく通らない。

いろいろな対策を頭で考えているうちに、首根っこを掴まれ消防団倉庫の裏に連れていかれた。

誰だよこんな端の方に倉庫なんて作ったのは?街の施設にヤンキーのたまり場作ってどうする!

「テメーら痛い目にあいたくなかったら財布だせ」

これがカツアゲだ、ホントにこんなドラマじみた台詞を言うんだ。

私たち3人カッチンカッチンに硬直しっぱなし。

「早く金出せよ!!オラ!!」

おしっこチビリそうになった時!

「そいつらに手を出すんじゃねーよ!バーカ」

聞いたことある声が後ろから聞こえた!

振り向くと!

そこには大崎!!

変わり果てた大崎の姿があった。

髪は金髪ソバージュ(前髪くま手)

紫色のさらしを巻き(お胸けっこうデカイじゃない)

白の開襟シャツに白のハーフパンツ、ヒールのついたサンダル。

とどめはくわえタバコ!(小学校を卒業したばかり)



この人たちは年上の男たちだけど。

「えっ!大崎さんの知り合いなの?」

大崎のことをさん付けで呼んでいる?

そうだ、大崎のお兄さんの子分たちだった。

ヤンキーはすぐさま「わりーな、いっていいぞ」

私は助けられた、あの大崎が助けてくれたんだ。

血の気の戻った顔で、

「大崎!ありがとう」と言った私をヤンキーたちが、コイツ大崎さんを呼びつけにしていると、ビクッタ目で見ていたのが印象的だった。

大崎は

「うっせーなバーカ」

とこっちに背を向けたまま言う。

やっぱりいい奴だった。

中学になった大崎

これ!
そのもの

中学生になった私たち。

大崎は隣のクラスで2組だったが、教室にいたことはない。

そうです、定番の保健室!

そして、保健室の前にある女子トイレが大崎たちの喫煙所。違う違う、喫煙所なんて学校にあるわけがない。でも喫煙所

保健室は1階の端の方にあり、なぜかその辺りは暗いのに電気がついていないので異様な雰囲気、シナーとタバコの匂いも混ざり合いここだけ別世界だった。

もちろん、そのトイレは使ったことはないが、部活の記録会で日曜日に学校行った時、友達とのぞいたことはある。

みなさんのご想像通りです。

壁には落書き、バンクシーなら良かったが、ヒワイなマークと言葉のオンパレード。

の扉は木でできているが、穴だらけでボロボロ、扉が無い箇所も。

1番カオスなのは床だ!

タバコの吸い殻、ペッペしたもの、食べ物のカス、割れた牛乳瓶。

ここで私は、初めての経験をする。

の個室の端に、青い蓋つきの容器を見つけた。中が気になり開けてみると‥‥

血の付いた入っていてビックリ!

ヤンキーの誰かが病気で血を吐いてしまったと思い、焦った!

が後からお母さんに聞いて恥ずかしくなる。

あの時の衝撃は今でも鮮明に憶えている



話を戻そう、大崎は1年生だが、いつも4~5人の2、3年生を引き連れていて格の高さがうかがえた。


カッコはまさにイラストそのもの、胸のスカーフはしていないけど。

【ちょっと脱線】
そのスケバングループにいる3年生の1人が悩ましい。

この人だけはセーラー服を着ないで、半そでの開襟シャツに地面すれすれのロングスカート。

バックリ開いた胸元がセクシー!そこにきてかなりのお胸で、黒いブラはいつもこんにちはしている。

何と言ってもそそるのは、泣きボクロ!

目の下にホクロがあるだけで、今にも泣きだしそうな切ない表情に見えるから不思議。

それでいて突っ張っているのだから、ギャップ萌えだ。

香水の匂いもバシバシ強い、たまに見かけると見惚れてしまうほど妖艶だった。

この人に会うと思う、

「時間よ止まれ!」

止めて開襟シャツの中が見たい!



この時代のヤンキーは怖いが、スケバンは怖さよりもエロさの方が勝っていたような。
【脱線でした】



いつも学校に来てタバコを吸いながらお散歩している大崎スケバン軍団、時より外から教室の窓に向かって石を投げる。

すると先生が窓を開けて「コラーおまえら」と一応言うが。

クラスの全員が窓に集まり大崎たちに向かって「イエーイ!イエーイ!」と手を上げると、満足そうな顔をして通りすぎていく。

これが私の中学の日常。

大崎とは春休みに助けてもらってから話はしていない。

遠くから顔を見ることはあったが、既にスケバンのトップという権力を手にした今、雲の上の存在になっていた。

この時はまだ、あのトイレに大崎を訪ねに行くなんて思ってもみなかった。


陸上部のアイドル、ガッキ(新垣 えみ)

今はまだ誰も気づいてはいないが、おバカ男子ワニオ、スケバン大崎、アイドル新垣が絡み合うことに!!乞うご期待。



つづく

昭和レトログッズ
本物は高くてなかなか手が出ませんがミニサイズなら大丈夫
大人なら出来ます
ガチャガチャフルコンプ

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