練習!?
大人の階段のぼることに
練習は必要なのか?
青春は行き当たりばったりだから
楽しくせつない
そう!!
練習なんかいらない!
おバカでいい、未熟でいい
突っ走った男子の話
\前回のお話はこちら/
練習ってなんだ (高校1年)
大人ホテル
「ふざけんじゃねーよ!!」
金子のヤツ、俺を使ってやりやがった!
俺と付き合うために練習した?エッチの練習?
俺はそんなものやったことはない、しかし金子はネネとガンガンやっていた。
(ヤル、ヤラナイ、下品な表現失礼いたします)
「ネネ!おまえは金子にいいように使われているんだよ、わからないのか?」
「みんなそうしているって言っていたから」
ネネは俺の前だからそういっているのかな?だってバイト先でネネと金子を見かけた時には、すごく楽しそうにしていたと思う。
もう何が正しくて何が間違っているのか分からない。
俺が付き合っていればネネは金子とこんなことにはならなかったのか?
また俺が悪い、いつもそうだ俺が悪い。
このイラ立ちはなんだろうと自分の気持ちを整理するために、ソファーに戻り汗をかいた赤マムシドリンクを飲む。
ここで初めてBGMに「川のせせらぎ鳥のさえずり」を選んだのが正解だったと気づいた。始めはどこか水の蛇口が閉め忘れているかとも思ったが、今は癒される。
正直、ネネが俺のこと好きだと言ってくれていたこと、気持ちよかった。きっと追っかけられていたこと優越感に浸っていたのだと思う。ファンに追っかけられているアイドルのように。
その大事なファンの1人を、ど素人に持っていかれた気分。あのいきすかない金子と、目の前にいるネネが、まさにこのホテルであんあんやんやんしている所が頭に浮かんで。
自分ひとり遠くの孤島に取り残されているような、一生童貞のまま死んでいく運命を背負わされてしまったような。なぜかサーカスのピエロのように、ドジで笑われてコケにされているかのように傷ついた。
「フー」ため息1つ。
「ネネ、とりあえず服のボタンとめて、こっちで話そう」
ネネは言われるままボタンをとめてソファーに座る、俺も脱衣所に置いてあったシャツを着て、少し離れてソファーに座る。
「金子のことは好きじゃないの?」
「優しくて楽しいけど、好きではないかな」
「ネネさ、やっぱりそういうことは好きな人とするんじゃないの?」
「うん、わかっているよ私だって」
「それならもうやめろ、そんなこともうやめろ、おれが金子に話してあげるから」
「・・・・・」
「じゃあ、帰るぞ」
俺は早く帰って金子に電話をしようと思っていた。
「ネネ、トイレは大丈夫か?」
「・・・・・」
一応、後の人のために、お風呂の栓を抜いて、忘れ物の確認をしてと。
玄関の前で振り返った!!
ソファーに
座っとるやないかい!
「付き合ってくれなきゃ
帰らない」
どこまでもイラつかせるヤツだ!
「付き合わないって言っているだろ!お前ひとりでここにずっといればいい、俺は帰るからな」
息まいてドアを開けて廊下に出る。
薄暗くて、異様なニオイがして怖い。
ビビる。
部屋に戻る。
しかも鍵忘れている。
「ネネ、ごめん、もう帰ろ、お願い帰ろ」
玄関で頭を下げた。
ネネが、重い腰を上げてくれました。
何やってもカッコつかない俺。ダッサださだな。
ロビーに降りて、小っちゃい穴に鍵を差し出しお金を払う。ボッタクられなかった。
しかしあのちっちゃな穴から出てきた手は、ババアだろうか?ジジイだろうか?
そんな手だったことは今でも忘れない。
さあ帰ろう。
バイクにまたがり
キックペダルに足をかけ
一気に踏み込む
エンジンスタート
バルバルーン!!
大人ホテルにサヨナラ!
やっべ~
ライターを持ってくるの
俺と金子 (高校1年)
ネネを家近くの駐車場に降ろしてから。ひとりバイクで流す。
傷ついた心を癒やすのはバイクだ、海の方信号の少ない道をかっ飛ばした。
家に戻ったのは10時近かったが、気が済まないので金子の家に電話をした。
お母さんがでる。
家電話はかなりの確率で親が出る、多分、粗相のないように子供は電話に出さなかったのだろう。うちもお母さんからは誰もいない時は電話に出なくていいと言われていた
(小学生の頃)
お母さんはすぐに金子に変わってくれる。
「金子!ネネから話は聞いたぞ!オマエ何やってんだよ!」
「えっ、何のこと?ワニちゃんわからないよ?」
「しらばっくれるなよ!ネネと付き合っているんだろ!ネネは嫌がっているんだぞ!」
「付き合っていないよ」
「・・・、えっ!?」
なんなんだよこれは、サッパリ意味が分からない。次の日駅前ではない横のファーストキッチンで会うことにした。
俺は早めに行く、なぜかって、それはベーコンエッグバーガーが食べたかったから。大好きです、中の独特な酸味のあるタルタルソースが。
金子は時間ピッタリに到着。飲み物だけ買って俺の座っている席の斜め前に座った。
(4人席)
座るなり金子が言う。
「ワニちゃん、俺はネネと付き合っていないよ」
「モグモグ・・パクパク・・」
ベーコンエッグバーガーに夢中。
金子は俺が怒っていると思い、やたらと早口で話し出す。
中3の時、付き合っていたのは本当、先生にもお願いしてネネちゃんに言ってもらって付き合った。ずっとネネちゃんはワニちゃんのことが好きだって言っていたけど、ワニちゃんは他に好きな人がいるから無理、だから付き合ってもいいよって言ってくれたの。1年くらいは付き合ったと思う。
でも高校生になったらワニちゃんに告白するから別れようって言われて、それは俺も仕方がないと思って別れた。
その後、ネネちゃんから電話がきてワニちゃんに付き合ってもらうにはどうしたらいいか相談に乗ってくれって言われて、俺、本読んでネネちゃんにいろいろ教えてあげたの。
(俗に言うエロ本)☜問題はこれ
「パクパク・・でいろいろってなんだよ・・・チュウチュウゴクン」
「えっ、だって、ね、ネネちゃんがいいって言ったから」
「周りの友達みんなしているから私もしてみたいって」
「お前がしたいから無理矢理したんだろ!」
「無理矢理なんかできないよ、でも、ワニちゃん俺ネネちゃんが好きなんだよ」
「・・・・・」食べ終わっている。
考えてみればそうだ、金子は身体目当てだとはいえ、ネネのことが好きなんだものそういう事したいと思うのが当たり前で、ネネがいいと言えばスル。普通の話だ。
俺、何やっているんだろ?ベーコンエッグバーガーは美味しかったけど。
そうだ、ネネが金子と別れたがっていると伝えてネネを自由にしてあげるんだった。
でも今は付き合っていないって金子は言っているけど。
「金子、ネネがおまえと別れたいって言ってたんだけど」
「ワニちゃん、俺、今は付き合ってないよ。ネネちゃんから電話くれるだけ」
これが本当なら、ネネが噓をついて俺の同情をひこうとしていたのか、そう言えば俺が付き合おうって言うと思ったのか。
まとめ
金子はネネのことが好き
中3の時は
ネネと金子は付き合っていた
高校1年になりネネから別れてほしいと
言われて素直に別れた
(好きなまま)
ネネから金子に連絡
周りの友達に負けないように
大人遊びをしましょう
(ヤリ友になってくれとのお願い)
ネネは俺に都合のいい噓をつき
金子が好きな気持を利用して
大人の階段をのぼった
笑った。
笑うしかなかった。
あんなにクラスではおとなしく、まったく目立つことがない女子ネネ。
実は都合よく噓をつき、男を振り回す女だったとは。
「金子、俺はハッキリとネネに付き合うつもりはないって言ったからな、後はお前の好きなようにしろよ」
「ワニちゃん、俺も、もういいや」
俺、なんだか疲れた。そして心が少し崩れたような。
家までの帰り道ずっと下を向いて歩く。
ベーコンエッグバーガーのタルタルが口の周りについていたことは家に帰ってから気づいた。
手を洗おうと台所に行った時、お母さんがエプロンで拭いてくれたから。
「あんた、だらしないね、バカ」
一気に肩の力が抜けた気がした、高校生になり自分は大人だと突っ走って。
異性との関係、大人ホテル、友達、何ひとつまともなことはできていなかった自分。
お母さんが言うことは間違いない。
俺はバカだ。
俺はお母さんに何も話さないし、相談もしない。なのになんでいつも俺が弱ったときに声をかけてくれるんだろう。すごく遠回しだけど。
ネネ その後 (高校1年)
その後、ネネと話すことはなかった。もちろん金子とも話はしていない。
いつものようにバイトに明け暮れる日々、バイク用品を買うためとツーリング代を稼ぐためだ。
そして働く俺に現実が襲い掛かる。
お客さんの車にガソリンを入れていると、毎週のようにネネと金子が自転車2人乗りして前を通る、俺は顔を隠して、楽しそうな2人の後ろ姿を眺めた。
高校2年の、俺がスタンドを辞めるまでその光景は続いていたと思う。
ネネその後 (高校3年)
実はまだ続きがあるのだ。
俺は誕生日が4月だから、高校3年になってすぐ車の免許取得。
中学の同窓会でその話をネネが聞きつけて家に電話をかけてきた。
(俺は同窓会不参加)
「ドライブに連れていってほしい」
行きました。(懲りないバカ)
兄貴の日産スカイラインに乗って。
迎えに行って、
久しぶりに会った
ネネ!!
変わり果てた姿になっていました
少し深いスカイラインの座席
ほぼパンツ出しっぱなしで乗車
どぎつい香水
赤よりも深紅のくちびる
胸元が何かに引っかかったら
ペロンとすぐはだけそうな
ボディコン!!
ネネ
ジュリアナ東京
バージョン
これが中学1年音読の授業から始まって高校3年まで続いた、
切なくも長い青春ストーリー。
おわり
昭和レトログッズ
本物は高くてなかなか手が出ませんがミニサイズなら大丈夫
大人なら出来ます
ガチャガチャフルコンプ
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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