モテキ
俺にもやってきた!!
そうこれこれ
モテ期
人生にはモテ期が3回やってくるという。
俺にもやってきたんだ!
高校入学と共にね。
そんな勘違いをしていた
おバカ男子のお話
\同時期にあったもう一つのエピソードはこちら/
- 異性にチヤホヤされる
- たくさんの人に告白される
- 彼女がいるのにアプローチされる
まとめ
同時期に複数の異性から
モテること!!
高校入学
1990年
春
入学を迎える
高校生です
バカな俺でもどうにか高校に合格。ひと安心。
偏差値?そんなこと聞かないで!
たしか・・・39、40、41 ほっといてくれ!
機械大好き、メカニカルなこと大好き、でも勉強嫌い、そんな俺にはピッタリの学校だ!
工業高校、機械科。男子校なのが玉に瑕だが、まあ硬派な俺にはそこもグー。
入学式
入学式はお母さんも一緒に行くって言い張るんだよな、俺はもう大人なんだから1人で行くって言っているのに。
なぜ思春期ってお母さんと一緒が嫌だったのか?
こんな時もあったけどね
お母さん!
きてもいいけど、俺は一緒に歩かないからね!!
お母さんはニコッと笑ってうなずいた。
きっとさみしかっただろうなと今は思うよ、でも思春期、お母さんがうざかったのはたしか。
家から駅までの道も、電車の中も、駅から学校までも、お母さんは俺の5メートル後ろを歩いた。
なぜ5メートルなのかはわからないけど、反抗期のプライベートゾーンといったところだろう。
でも気が小さい、外ではカッコつけているが、今朝は緊張で胃が痛くておなかも下している。
お、お母さん、胃が痛い、どうしよう?
\お母さんの愛用胃薬はこれ/
お母さん、お水もちょうだい!
朝だけで「お母さん」と何回言ったかわからないくらい全部お母さんまかせ。
それが「お母さんとは一緒に歩かないから」なんてよく言えたもんだ!
まあそんなものだろう。
ひとつだけ後悔しているのは、帰りにお母さんがなにかご飯でも食べて帰ろうと言ったのに、
嫌だよ!お母さんとご飯なんて恥ずかしいだろ!
なんて言ったことだ。
そんな高校生活の始まり・・・
俺の舞台
同じ高校に通う友達がいなかった俺は、ひとりでの通学。もともと人とつるむのは嫌いだったからそれも苦ではない。
俺の中学から工業高校に行ったのは俺ひとりだったし。
当時の工業高校は比較的ワルの集まり感もあった、少年漫画でヤンキーの出てくる舞台は工業高校が多かったような。
人生で初めての電車通学、それもワクワクしていた。
幸い地元の駅から学校までは下り方面、車内は座れないまでも空いてはいるから気楽なものだ。
線路を挟んだ向かい側が上りの東京方面、そっちのホームはサラリーマンと学生がみっちりと並び、ごった返していてまるでパックに入ったシメジのよう。いやエノキだ!どっちでもいいか。
千葉方面下りホームにほぼ俺ひとりで、向かいには大勢の人、もうコンサート会場のアイドルのような気分だ。
それが気持ち良くて階段からホームの1番後ろまで歩く。もちろんポケットに手を突っ込みカッコつけて、誰も見ていないと思うけどね。
風を切って歩くというのはこういうことなんだな。
でもガニ股のヤンキー歩きではない、背筋をピンと伸ばして綱渡りのように一本の紐の上を歩くんだ、気持ちはパリコレ。
なぜか当時見ていたTV、月曜の夜12チャンで、11時ごろからファッション通信というパリコレ的な番組がやっていて好きだった。珍しい男子でしょ!
みんなは気づいていないけど、海外のファッションはモデルさんのお胸が透けている服が多いのよ、それを見て興奮していたの。
この話は内緒だよ、誰にも言っていないからね。
こんな感じのホーム
ここが俺の舞台
向かい合わせの
東京方面は
びっちり人人人
ということで必ず電車の
後ろ車両に乗っていた。
出会い パート1
通勤通学は、みんな同じ時間、同じ車両に乗るもの。
となると顔見知りができる、毎日いる朝から疲れているオッサン、毎日いる学生。疲れているオッサンはどうでもいい、
そう学生。
次の駅から乗ってくる女子高生が2人。
この2人は降りる駅もひとつ違いで乗り換えも一緒、40分間密室でずっと一緒なのだ。
ひとりはお世辞にもかわいいとは言えない感じの子、
そしてもうひとりは・・・
そう、プロゴルファー祈子だ!
祈る子と書いてレイコ、ドラマの内容はまったく覚えていないが、この安永亜衣さんにそっくり。
その時、勝手にレイコと名づけた!
初めて会ったのは通学2日目の朝。
まだ不安の残る中、電車に乗り込んだ俺は、ボーッと外を眺めていた。
次の駅にとまるためにゆっくりスピードを落とす電車、ドアが開き乗り込んできたのが、かわいくはない子。
目をそらす俺。
と、気を抜いた時!
あーーー!
ごめーん、遅くなっちゃった!
ハァ、ハァ、ハァ
ダッシュして乗り込んできたのがレイコ!
ハァ、ハァ、と荒い息遣い、風に吹かれてもちあがった前髪にドッキュンポニーテール、見開いた大きな瞳、まだ春先の冷たい風に意地悪されて真っ赤になったほっぺ、そこには素敵なえくぼも。
俺の勝手なえくぼが素敵な芸能人
衝撃!
衝撃が走った!
めちゃくちゃかわいい!なんと爽やかな子だろうか!
歩きでも走りでも自転車でも、なんで疾走した後の女子ってキラキラしているのだろうか?
ちょっと待って、モテ期って相手が好きになるんじゃないのと思ったあなた、まだがまんして読んでください。
その日から学校がある時は毎朝一緒。もちろんかわいくはないほうも。
電車の1番後ろ車両の運転席側左右、微妙な距離に立ち学校へ向かう。彼女たちはいつも楽しそうに話をしているのだけれど、俺は、黙って外を眺めて耳をダンボにしながら。
これまた、定番のかわいくはないほうがずっとしゃべっていてレイコの情報がまったく入ってこない。
レイコは受け身だ、そこも好き。
学校はカバンと制服を見ればわかるけど、名前も何年生なのかもわからない、1番知りたい彼氏がいるのかどうかもだ。
かわいくはないほうの学校での出来事ばかりで・・・どうでもいい情報。
それでもお互いに意識はしていたと思う、かわいくはないほうも。
※かわいくはないほうってしつこいくらいに出てきますが、申し訳ございません我慢してください。
同じ電車の異性ってなんか意識するよね、えっ、俺だけ!?
なんとなく電車に乗り込む際にはレイコと目が合うのだけれど、かわいくはないほうが俺とレイコの間に必ず居座るんだよね、不思議。これも持って生まれた才能なのだろう。邪魔だ!
チャンス到来! ハンカチ落下作戦
一瞬だけ目が合うという挨拶を繰り返していたある日のこと!
なんと!かわいくはないほうが学校を休んだ、ここは定番じゃない。ホントだったらかわいいほうが体弱いのに。(偏見)うまい具合にかわいくはないほうがよく学校を休んだ。
かといってなにもアクションができない、何度も話しかけようと思ったけど、話す言葉が浮かばないまま、駅についてしまう。後ろ髪を引かれながら下車。
実は当時大好きだったのは、おニャン子クラブ会員番号16番高井麻巳子でした、
どうでもいいか!
俺は考えた!
寝ずに考えた!
テッテケテッテ
テーテッテー!!
ドラえもんの四次元ポケットから道具が出るときの音
「ハンカチ落下作戦」
寝ずに考える内容でもないか。
そうと決まればすぐに決行だ!!
お母さーん!
マジで、かっけーハンカチ出して!
お母さんが出したのはピンクの花柄ハンドタオル!
ちげーよ!
カッコイイのだって!
やたら乱暴な言葉を発するおバカ男子。
ひと駅俺が先に降りるから、降り際にハンカチを落とす!
いたってシンプルな作戦、でもタイミングが難しい、早すぎると渡されちゃうし、遅すぎると自分がドアに挟まってしまう。
ドアに挟まったらシャレにならない!
作戦当日の朝はドキドキがとまらない、今日もかわいくはないほうが休んでくれればやりやすいのだが、トレンディードラマじゃないからそうはうまくいかない。かわいくはないほう今日はきちゃった、でも俺はとまらない作戦決行!
トルトルトルトルー
ドアが閉まる絶妙のタイミングで
ヒョイと飛び降りながらの
ハンカチトス!!
「あっ!!」
成功!!
成功したけれども!?
ドアが閉まる直前に振り返って見えたのは!!
かわいくはないほうが拾っている動作だった。
失敗だ
失敗だ
失敗だ
失敗だ
やまびこのように頭に響き渡る「失敗だ」、あしたの朝どうしよう。
※こんな昭和初期のベタ中のベタな作戦だとバカにしたみなさん!
今考えればこっぱずかしいけど、あんがい拾ってくれるのよ。
どんでん返し
あまりのショックにその後の記憶はない。
たぶん授業中に、ウォークマン聴きながら早弁食べて、居眠りしていたのだと思うが。
次の日は、車両をずらそうとも思ったが、それでは男らしくないから、いつも通りにいつもの車両に乗っていくことにした。ここで恥ずかしがるのも違う気がするが、思春期のハズいポイントってズレている。
そして、いつも通りに彼女たち2人も次の駅で乗ってくる。
いやいや、いつもと違うぞ!
かわいくはないほうがドアの開く前から俺を見て笑っている?レイコも微笑んでいるように見える。なんだかいい雰囲気だぞ。
ドアが開いて乗り込んでくるなり、かわいくはないほうがカバンに手を突っ込み何かを出した!
って俺のハンカチ!!
「ありがとう」と受け取ろうとしたら、そのハンカチをそのままレイコに手渡した!
えっ、えっ、なに、なに、なんで?
そしてレイコに何か耳打ちして、ソッポを向く!
なんだこれ!
・・・・・
そして・・・
そして、なんと!!!!
レイコがこっちを見てニコッとえくぼを光らせた!
あのー、これ、
昨日電車降りるときに落としました?
この子がみつけたんですって。
あれっ!かわいくはないほうがシャイなのか!
あっ、そうだ!
俺のだ、どっかで無くしたと思っていたよ!
しらじらしい。
うん、よかった!!
笑顔もえくぼも素敵です、声もかわいい!
ありがとう
初めて話をした瞬間だった!!
でもその後はいつも通りの通学になったのだけど・・・
それでもレイコとは、次の日から目を合わせてお互いにうなずく関係にはなった。
ハンカチ落下作戦大成功!
かわいくはないほうはまったく俺の方を見ないが。それはどうでもいい。
恋の予感・・・
恋 確定?
その距離感が続いたある日の朝。
かわいくはないほうが学校を休み、俺とレイコ2人。
それでも話ができないおバカ男子の俺。なんのためのハンカチ作戦だったのかな、まあ高校1年生だから仕方がない。
いつものように最終車両の運転手側左右に寄りかかりお互い外を眺めていた。ここに立っているのは俺たちだけ。
途中駅に着きドアが開く、そこに突如として走りこんでくるやつが!!
それは、知的障害をもった高校生男子だった。
俺とレイコの間に入り、電車の運転席窓を覗いて奇声をあげている!
こういう子供はよくいる、電車の先頭と後ろには運転席が見える窓があって、そこから運転室を見たり流れていく景色を見たり。
俺は平気だが、レイコはちょっとビックリした様子。
独り言の奇声だったから、はじめはシカトしていたのだけれど、そいつがどんどんレイコに近づいていって、わけのわからないことをしゃべりだす。もちろんレイコは怯えて困っている、座っている人たちも見て見ぬふり。
障害のある子と揉めるわけにもいかない。まだ降りる駅までは遠いし、俺のほうが先に降りてしまうし、どうにかしなければと考える。
俺がとった行動とは?
レイコの手首をつかんで
電車を降りた!!
俺は
ダスティン・ホフマン?
卒業?
いや
まだ入学したばかりだ!!
やっぱりおバカ男子だよね!!
車両を移動すればいいだけなのに・・・
二つ手前の駅で降りちゃったよ。
この後どうするの??
つづく
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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コメント
コメント一覧 (2件)
まずは、お母さんのお話。思春期男子は母親と歩くのってそんなにも恥ずかしいことなんですね。本当は大好きなお母さんだから冷たい態度をとった後は嫌な気持ちになっていたのではないでしょうか。
高校生の頃の恋ってそういえばこんな感じだったかな~って思い返しました。懐かしいですね。そのあとどうなったか楽しみです。ワニオさんは今までの経過から見て可愛らしザ・女の子タイプが好きなんでしょうか。
外見より中身っていうのは嘘か誠か。次回作お待ちしています。
めめ様コメントありがとうございます。
お母さんに反抗期しつつも、どこか罪悪感に悩まされていたあの頃、でも素直になれなくて。
外見より中身!!大人になってよくわかりました。
あの頃は中身が良いから外見が良いのだと、大きな勘違いをしていたのです。それに気づいたのは最近。
まだまだ続きますのでよろしくお願いいたします。