ブラジル人の友達、マルコス! part4  

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神妙な顔で玄関を指差し、見てはいけないものを見たと訴えるマルコス!

マルコスは私の手を取り玄関ドアの方に連れていきます、表情は探偵のようです。
そして、昔ながらの団地の鉄でできたドアの新聞受けボックスを開けて、新聞を差し込む穴を指して、ここ! ここ! 
私は、何だか分からないまま考えていると、マルコスのジェスチャーです!あの卑猥な(ひわい)な下品なジェスチャーです! えっ!万国共通なの!

わかりました!

そうなのォ⁈ 
私は19歳、マルコスは17歳です!刺激強すぎですよ!
私たちは、犯罪現場を目撃したかのような、重苦しい気持ちです。・・・・・・・・・


ってなにかってみなさん思いますよね、マルコスが身振り手ぶり翻訳本を見ながら教えてくれました。かなり詳しく知るまでには時間がかかりましたがよくわかりました。

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不倫です、マルコスのお兄さんと義理のお母さんのアマゾネスが不倫関係にあると、お父さんが帰って来るのが9時で、マルコスのお兄さんが帰って来るのは6時過ぎで、帰って来るとまずみんなでマルコスの家の方でご飯を食べるらしいです、その後、マルコスのお兄さんとアマゾネスが7時半から8時半までお父さんの方の家に必ず行くと、初めはマルコスもテレビなどを見ていたらしいのですが、ある時、気になってお父さん宅の玄関の前にそっと行き、郵便受けから中を覗いたら!そうです、ガッツリそのシーンも音も声もです(やっぱ外人だから?)そして、何食わぬ顔で9時前には戻って来ると。知ってしまったことがとても辛くて、部屋でテレビなんて見てられず、その時間は1人で自転車に乗り散歩に出かけてるそうです。

アレ!じゃあ今もなの?私とマルコスの為に時間を作ってくれたんじゃないの?
自分たちが楽しみたいだけなの、って義理だけど親子でしょ!
私もショッキングでしたが、マルコスはもっとですよね、多分マルコスが来る前はマルコス側の家で行(おこな)っていたのでしょう。
その時間が辛くて外に出て行くマルコスを思うと私も辛かったですが、どうすることもできないです。

マルコスは、お父さんお兄さん義理のお母さんたちの複雑な関係について17歳ながらに悩んでいます。

私は知ってしまって、その後お兄さんにもアマゾネスにもお父さんにも会うのが怖くなってしまい、マルコスがまだ帰らないでと引き止めるのを振りほどいて逃げるように帰りました。本当は日本人のお父さんに挨拶がしたかったのですが、そんな状況の中でまともに顔見て挨拶出来る自信がなかったですし、自分のスキからアマゾネスとお兄さんの不倫がばれたらどうしようと思ってしまいました。


48歳の今ならマルコスと一緒にいてあげられたのに。


何だか私は世の中の全ての罪を17歳のマルコスに押しつけて、見て見ぬふりをしてる卑怯で汚い犯罪者にでもなったかような気持ちです。

玄関でマルコスの手を振り払った時の、マルコスの切なくて苦しくて助けを求めている目が帰り道も忘れられず一度は戻ろうとしたのですが! 

ですが!



涙が止まらず、戻れませんでした。

でも!頭の中には!

14型のブラウン管テレビの上に飾ってあった写真には、マルコスとお兄さんとお父さんの3人が仲良さそうに笑顔で肩を組んでました、そこに写っていたお父さんは佐藤蛾次郎そっくりでした。

つづく

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • マルコス君、外部で厳しい環境に晒されている中でご自宅に帰れば、かような状況に…。19歳の私だったら、言葉の通じないマルちゃんと一緒には居られなかったでしょう。
    落ちの佐藤蛾次郎さんの歌、浪花夫婦、可愛いお前が哀しく響きますね…。マルちゃん揚げに期待!

    • ミッキバリアさんコメントありがとうございます。今でも異国で孤独な外国の方がいると思うと、なにか支援ができればと感じる今日この頃です。

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