ブラジル人の友達、マルコス! part5

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マルコスの歓迎会から逃げ帰った私ですが、その夜はまったく眠れず(ていっても寝てる)にいました。
あの後のお兄さんとアマゾネス、そして帰って来るお父さん、すべて知ってしまっているマルコス!どうなったのか?

眠れない私の頭には、佐藤蛾次郎と流れるイエスタデイ、マルコスの悩みを抱えた目。

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目次

次の日

次の日も仕事はあったのですが、マルコスはきませんでした。

もちろん私は、あの金曜の夜の歓迎会で何かあって、辛くて仕事なんてできないのかと思いましたが、マルコスの家は電話がなくて会社も無断欠勤です。

私は、楽観的にまた来週になれば普通に来るだろうと思っていましたが、マルコスは次の週も、そのまた次の日も会社へはきませんでした。

さすがに社長からはマルコスの家に様子を見に行って来いと言われていましたが、私はどうしてもい行く勇気がわかなくて誤魔化していました。
一週間が過ぎたあたりから私も観念してもうダメだと思って気持ちを整えます。
もう一回頼まれたら行こうと!
すぐ頼まれました。
「わかりました、様子を見てきます」
はぁ~


何故か私は、また駅前で買ったミスドを持ってマルコスの家に向かいます。
(困った時はミスド)

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家の前にマルコスの自転車が置いてあるのできっと家にいるんだなと思います(どちらかというといないで欲しかった)
恐る恐るドアのベルを押します ブー!ブー!クイズの答えを間違った時のような音がなります。
緊張しますね、その時ドアが開きました!
ハーイ!ナニ!アマゾネスが出てきました!私は一瞬逃げようとしましたが、アマゾネスもなんか弱ってるように見えて(今日は、スッピン?)、私は落ち着いてミスドを渡しマルコスが心配で来たことを伝えると、アマゾネスは涙ぐんで私の手を引いてお父さん側の家に引っ張ります!

いやいやいやいや! いやいやいやいや!
待って待って! 待って待って!
違う違う!そんなんじゃないよ!興味はあるけど違うから!
えっ!でもそれもイイ?
いや!ダメだ!

マルコス風邪ひいて寝てるから、チョット話あるから!

わっ!ビックリした、そうだよねー(心の中ではチョット恥ずかしい)

アマゾネスは、おいにープンプンのダイニングテーブルに通してくれてお茶も入れてくれました。話はこうです

マルコスは、最近ずっと元気がなくて食欲もなくみんなとも話をしないと、きっとホームシックだと思うが、そんな中熱が出て、それが3日続き何日か前から熱も下がって体調は良くなったのだがボーっと布団から(外人だけど布団でした。)起きれないのだそうで、何か他に心当たりはあるのかと、アマゾネスもお父さんも困っているそうです。


お前の不倫だよ!!

なんて言えませんよね!それだけじゃないのは確かです。
私も、マルコスはまだ子供だから異国でお母さんが恋しくなったのではないかと思う。と話しました、
実際にマルコスは夜に電話ボックスからお母さんに国際電話をしていたのですが(時差12時間らしく、夜の8時だとブラジルは朝8時)お金がかなりかかるらしいのでお父さんが了承した時にしかさせてもらってなくて、私の知る限り一週間に一回5分くらいだけだったと思います。

私は、マルコスと話をさせてほしいとお願いします(香水の匂いもきつくて気持ち悪くなってきた)
アマゾネスは私を置いてマルコス側の家に行きます。待ってる間に部屋を見渡すと、そこにはアマゾネスと蛾次郎のラブラブ写真がいっぱい飾ってありました、ここでよくできるなぁ~マルコスのお兄さん!なんてニヤニヤ考えていると、アマゾネスが戻ってきてマルコスもあなたに会いたいと言ってるから行ってあげて下さい、と私はほっとしながらマルコスのもとへ向かいました。

アマゾネスは自分の家の玄関で止まり、後はよろしくお願いします!と部屋に戻っていきました。

私もマルコスと2人のほうが気が楽なので、良かったと思いながら、玄関向かいのマルコスの家に勝手に入ります、「マルコース!大丈夫かー」一応大きめの声でアピールしながらダイニングの横の4畳半程の部屋に行きます、マルコスは部屋の隅に敷いてある布団に入っていて、半身を起こしジャンパーを羽織ってます。

一目見て元気そうだと思いました、

マルコス、どうした?大丈夫か?(歓迎会の後)あれから来ないから心配したよ、お父さんとかも大丈夫だったのか?

元気そうに見えていたマルコスですが、私が声をかけたとたんにクリクリの大きな目いっぱいに涙を浮かべて!

ボク ネー ママー ネー アイタイ ママー アイタイ ブラズィ カエリタイ!
ワニオサン ボク カエリタイ オネガイ カエリタイ

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大丈夫、大丈夫、マルコス、大丈夫、だよ!
いや、何が大丈夫なのか?自分でも分からないけど、とりあえず言ってました。
アリガト ザイマス アリガト ワニオサン オネガイ ネー

あれ!この流れナニ!ありがとうございます?えっ!ナニ!

もしかして、マルコスがブラジルに帰る段取りを私が立てると!えっ!そういうことなの!いやきっとそうだなこりゃ!

私は、あの夜(歓迎会)の罪悪感もあり一大決心します!

わかった、お父さんに話してあげるよ!

みるみるマルコスの顔が笑顔に変わります。

うーん!凄い嫌だけど!もうどうにでもなれ!って気持ちです。

その後は、ブラジルのお母さんの話やブラジルの観光地の話などをして、私はブラジルの代表的なお土産はなにか聞いて(マルコス言わく、コーヒー、チョコレート、ナッツ類)買ってきてよ!なんてことをふざけながら語り合ってお父さんの帰りを待ちました。

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マルコスも元気になったので、私はほか弁(今のほっともっと)を買って来るから一緒に食べようと、今日は、お兄さんも帰ってきてないしお父さんのの帰りもまだだったので(今は8時)駅前まで自転車を飛ばして買いに行きました、2人とも生姜焼き弁当です、もちろんコーラもあります。

私は、この後のお父さんの説得というプロジェクトを抱えながらも、マルコスと楽しく美味しい夕飯を食べました。

9時になっても、お兄さんもお父さんも帰ってくる様子はなく、私も明日は仕事があるのでドア向かいのアマゾネスにお父さんが何時位になるのか聞きに行きます、アマゾネスは寝ていたいらしく、けだるそうに「今日は遅いよ、明日の朝だよ。」って!

なんだよ、とか言いながらほっとした自分もいました。

私は、マルコスのもとに戻り訳を話して、



「明日、必ずお父さんに話してあげるから、心配するなよ、俺は約束は絶対に守るから!だからマルコスも明日、絶対に会社にこいよ!大丈夫か!

マルコスは大きく頷きます。コクンっと!

私は、小指を出して指切りげんまんです、マルコスは分からないけど無理やり小指を出させてお互いに絡めて「日本の約束を守るおまじないだよ」ブラジルには全くないジェスチャーですが、2人とも熱い気持ちになったのは間違いないです。

この時は、あんなことになるなんて1ミリも思いませんでした!

つづく



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