小学6年生
(11~12歳)
男子
人間の目
見えているものって本物?
自分が見ているもの
他人も同じように見えているの?
脳 ・ 心 ・ 目
全てがそろった時に起こる
化学反応
それを知った男子の話
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無事に卒業を迎える
卒業が悲しくない理由
ゆう子との思い出話は終わり、相変わらずじゃれ合う日々に戻った。
卒業式の日から逆算して、カウントダウン日めくりカレンダーが、徐々に薄くなって行く。
それでも寂しい気持ちにはならなかった。
なぜか?
それは、次に行く中学校にはおバカな男子5人も、おませな女子5人もみんなそろって行くことが決まっていたから。
それに加え、なんと担任のやじさんも、同じ中学の先生になる。
当時の中学校は、かなり荒れていて、そう、スクールウォーズの世界
校庭にバイク乱入なんて当たり前、ケンカ、シンナー、落書き等々(兄が通っていたので情報は知っていた)
やじさんは熱血教師、
「俺が、このガキどもをビシビシ更生させてやる!」
と、かなり前から打診していて、やっと現実になったようだ。
なので卒業はただの通過点と思っていた。
それよりも、おバカ男子5人で、卒業記念にどっかに行こうと計画を立てる。
もちろん、当時も今も変わらない場所
卒業記念といえばお馴染み!!
こちらをクリックしてください!
東京
ディズニーランド
休み時間に集まっては、みんなで行く時間や持っていくお小遣い、乗るアトラクションの順番、ワクワクドキドキ話しているだけで楽しかった。
小学6年生です、そのような人の多いプレイスポットに子供だけで行くのは初めての経験だったから。
もちろん、となりの席のゆう子は聞き逃してはいなかった。
ゆう子「へ~そうなんだ~卒業式の次の日に行くんだ~へ~」
われわれは誘ってませんよ、そんなナンパな男の集まりじゃない。
なぜかツッパッていた、女子を連れてワイワイ行くのは男じゃないと、女は邪魔だぞと。意味不明な硬派気取り。
卒業式よりも謝恩会
卒業式当日を迎える。
やはりクラスのみんなも明るい、きっとみなさんの思う卒業式の雰囲気とは違い、やじさんと荒れている中学を良い学校にするぞ!といった希望に満ちた卒業だった。
でもそれは若かりし頃の勘違いで、この顔ぶれ、このクラスの一員は、人生で最後なことは間違いなかった。今はわかる。
この日に私は、人生初体験する。
それは!
ケンタッキー・フライド・チキン
卒業式の夕方に体育館で、3クラス合同の親も参加した謝恩会が開かれた。
体育館にイスとテーブルを並べて、舞台では一人一人出し物をやる、ピアノを弾いたり、歌を歌ったり、演劇をしたり。
そこには当時、駅前にできたばかりのケンタッキー・フライド・チキンのセット。
ケンタッキーは地元で、まだまだ家庭に浸透しておらず、お高いお金持ちの食べ物と認識されていて、みんなで「すげー、スゲー」と感動。
もちろんワニオ家も初めてのケンタッキーに感動していた。
ちなみに、私はクラスの男子何人かで「やじさんの日常風景」という演劇をやった。
私がやじさん役。
といっても、舞台に並べた机を蹴り飛ばし、竹刀で一人ずつぶっ飛ばす、その後「瞑想しろ」と言って眠らせ、自分もイビキをかいて寝るというもの。
今、親の前でやったら大問題。当時は大爆笑だったけど。
夢の国へ
ディズニー行き直通バス停
1986年には、まだ京葉線は開通されておらず、ディズニーへは直通バスか車だった。
東西線の浦安駅から真っ直ぐ歩く遊歩道(通称ディズニー通り)。
10分ほど歩いた場所に、とにかくだだっ広いディズニー直通バス停がある。
おバカ男子5人は、朝一番にバス停集合の約束。
私は、嬉しさのあまり30分前にバス停に向かう、お母さんが道路まで出てきて私を見送ってくれた。
今では信じられないほど、当時は平日ならまだ人込みはなく朝一はがらんとしている。
わかってはいたが、私が一番乗りで、まだだれも来ていない。
と思ったら、券売機の所に一人、女の子が立っていた。
何かが違う
ゆう子だ!
もちろん誘っていないし、約束もしていない。
「ゆう子!何やっているんだよー」
ホントはなんとなく分かっていて、嬉しかったけど。
ゆう子「フフフ、私たちもねーみんな今日しか都合が合わなかったからさー、たまたまなのよ」
「女とは一緒に遊ばねーからな」と一応言った。
ゆう子「うん、いいよ。私たちが勝手について行くから」
と言ったゆう子は、なんだかいつもと違う感じがした。
顔は可愛くないが、小学生離れしたごっくんボディ。
まず目を引いたのは、肩から胸元までバックリ開いたシンプルなデザインのロンTに、たすき掛けにしょったポシェット。そのひもが胸と胸の間に食い込みいつもより倍のお胸になっていたし、本物のブラというものをつけていたのか、お胸の半分以上が開放されていて、プルンプルンしていた。
そして、キュロットからのびる真っ白な脚。可愛い薄茶色のベレー帽。
極めつきは、お顔!
目元がクッキリしていて、まばたきするたびにバシャンバシャン音が聞こえそうなまつ毛。
お風呂上がりのような、ほのかに赤らんだほっぺ。
天ぷらを食べた後のようなテヤテヤの唇。(ピンク色)
顔はかわいくない?
顔はかわいく?
顔はかわ?
顔がかわい?
顔がかわいい!
脳内パニック状態、胸ドキドキ。
私は、モヤモヤしたままみんなと合流、バスに乗りディズニーへ向う。
ゆう子率いるおませ女子5人も、私たちから少し距離をあけて同じバスに乗った。
東京ディズニーランド
1987年当時の東京ディズニーランド
園内マップはこちら
出典:【公式】東京ディズニーリゾートブログ
/私のマップは開園当時のまま!今ではなくなってしまったアトラクションも\
ワクワクドキドキのディズニーランドが始まる。やはり夢の国、テンション爆上がり。
そんな私たちの後ろをゆう子たちがついてくる、一応別々のグループということで。
(なんで始めから仲良く一緒にできないかなぁ、おバカ男子は)
真っ先に走って向かったのは!
カリブの海賊
朝一番はスルーだ、待ち時間なしで乗れた。ゆう子たちも続く。
船に乗り込み、暗い中を進むと、突然急坂が訪れる!
女子「きゃぁーーーー!!」
男子「ダッセー!全然怖くねーし」
カッコつけてるけど私は苦手。
荒くれる海賊たちの世界、男の子にはたまらないロマンがある。
やっぱりディズニーは「カリブで始まりカリブで終わる」byワニオ
♪オウ、オウ、オウ、オウ、ね~のなんなり~♪(勝手な歌詞)音楽が今でも流れてくる。
ジャングルクルーズ
これも船、冒険心かき立てる。ジャングルの川を駆け巡るのだ。
これもスルーでみんなで乗船。
船頭のお兄さんがカッコイイ!しかもおもしろい!女子みんなお兄さんに釘づけ。
男子嫉妬
我ら意地でも笑わない、「ぜってー、台本読んでるだけだぜ、俺たちの方が面白いもんな」カッコ悪い男子。
船を降りた後も女子の目はキラキラしていたが、男子はお兄さんに完敗。もうこれは乗らないとぶつくさ。
・ウエスタンリバー鉄道
・蒸気船マークトウェイン号
に男子、女子微妙な距離のまま乗った。
お昼ご飯
早めのお昼ご飯だ。
お金の余裕のない私たちは、グランドサーキットレースウェイ(ゴーカート)の方にあるハンバーガーを食べに行った。女子たちもついてくる。
私は、ここで初めてトマトのスライスが入ったハンバーガーを食べた。感動。マックのピクルスは苦手だがトマトは美味しかった。
もちろんここでも、女子とは違うテーブルで食べる。
ここで食べた後に女子たちとは別行動に。
なぜか?
このハンバーガー屋さんの隣にゲームセンターがあるのだ。しかも当時の最新ゲーム機ばかりがそろっている。
巷のゲーセンでは待ちでも、ここは誰もやっていない。
当たり前だ、ディズニーランドに何しに来たんだろう?
女子たちは呆れて、「私たち白雪姫行ってくるからね」と行ってしまった。
携帯などない時代、こんな広い場所では、もう会えないかもしれない。
なんて心配ご無用。乗り終わった女子たちが帰ってきてもまだ、ゲームやってました。
「もー、もー、行こうよ行こうよ!」女子たちにせがまれ泣く泣くゲームをやめる。
このあたりから男子女子が打ち解けて距離が縮まったような気がしていた。
ホーンテッドマンション
この頃から園内は込み始め、アトラクションは1時間待ち。
実は私、お化け屋敷やジェットコースター的なものは苦手で、家族で遊園地などに行ってもお母さんと待ってるような子供でした。
私自体、ディズニーはまだ2回目でわからないアトラクションが多い。初めて行ったのはディズニープレオープンの市民招待、お母さんと2人で行った。
なので、このホーンテッドマンション、ホントに怖い。
並んでいる最中、後ろにいる女子から提案。
女子「ねぇ、ねぇ、私たちオバケ怖いから一緒に乗ってよ」
そんなこと言われたらおバカ男子です。「ああ!いいぜ!しょうがねーなー」となる。
この時から、並び順も男子女子入り乱れるようになった。私の横にはゆう子がピッタリくっつく。
ホーンテッドマンション開場
始めに通される密室、真っ暗になり、天井には骨骨ロック、びろーんとのびる壁。
私、朝のゆう子に引き続き、脳内パニック!
「暗いよ!狭いよ!怖いよ!」dy面堂終太郎(うる星やつらより)
そっとゆう子が手を握ってくれた。
落ち着く。
そして丸っこいカートに乗り込む。
乗った途端に、ゆう子の甘いイイ香りがする。
ゆう子「ねぇ!知ってる?ディズニーってカップルで来ると別れるんだって!でもねホーンテッドマンションでキスをすれば別れないらしいよ!」
(都市伝説がいろいろあった)
「へ~」と言ったが、怖さでゆう子の手を強く握ることしか出来なかった。
終始ゆう子はキャーキャー言っていたが、楽しんでる様子。私は声が出ないほどビビッてる。
乗ってる間、怖さのあまりキスの話はすっかり忘れてしまった。
しかし乗り終わった後、ゆう子の手を放すとき、ふと、寂しいような、愛しいような、迷子になってお母さんを探してるような気持ちになった。
なんだ、この気持ち?
イッツ・ア・スモールワールド
やはりホーンテッドマンションの後は、安定のスモールワールド。
私は、先ほどの疲れでグッタリだが、ここで一息、癒される。
グランドサーキットレースウェイ(ゴーカート)今はない
もう辺りは暗くなってきた。
ここは、みんな自由。男女もいれば一人一人もいる。
私は、ゆう子にせがまれて二人で乗る。運転はゆう子。
私は、助手席で腕を組んで、やれハンドルを右だの、やれもっとアクセルを踏めだの、車の免許は持っていないがベテラン面。たまに横からハンドルをガツンと回してみたり、でも楽しかった。
外の夜風が吹き抜けるたびにゆう子の甘い香りが、私を襲う。それを胸いっぱいに吸い込む。
必死に運転しているゆう子が可愛い!?
スペース・マウンテン
※怖さのあまり記憶なし。乗ったのは乗った。
夕食とパレード
スペース・マウンテンの後、お昼のハンバーガー屋で夕飯を食べた。
もちろん私は、食欲はないけど、トマト入りのハンバーガーはここしかない。
でもみんなと一緒に、今までのアトラクションのことをやいのやいの話ながら大笑い。
女子たちをハンバーガーを食べる暇を与えないくらい、われわれおバカ男子は笑わせた。
最高に楽しかった。ゆう子も口をおさえながら笑っていた。
この後、女子たちにパレードを観に行こうと誘われたが、ここで意見が分裂。
なぜか?
私たちには計画があった、それは、パレードの間、アトラクションに乗る人が激減する、そこを狙ってカリブの海賊を何回連続で乗れるかタイムトライアルをする。というもの。
何回乗ったかは最後で!
そこで、パレードの終わる時間にシンデレラ城の前で待ち合わせをした。
最後のスカイウェイ(ロープウェイ)今はない
私たちはパレードが終わるギリギリまでカリブの海賊にいたので、ちょっと遅刻する。
シンデレラ城の前で待つ女子たちは、なぜかお姫様のように見える。
走って向かう私たちを、女子たちは満面の笑みで迎えてくれた。
ゆう子の笑顔もキラキラ輝きを増しているように見えた!
私にはゆう子しか見えていない!
ベレー帽に、お胸プルンプルン、そしてキュロット!
みんなで話し合って最後はトゥモローランドからファンタジーランド行のロープウェイに乗ることに決まった。
乗るギリギリまでみんなで迷ったが、4人乗りなので、男女4人ずつ乗ることに。
理由は係のお兄さんに2人で、とは恥ずかしくて言えなかった、というのが正直なところ。
でもゆう子は私の隣に座る、私もそうして欲しかった。
目の前にも男女が座っているので、2人の世界には入れない、と思っていたが。
乗ってすぐにゆう子は、持っているポシェットの中から少し大きめのハンドタオルを膝の上にちょこんと乗っける。
そうだこれは、私が汚してしまって、代わりにプレゼントした長谷川さんのハンドタオル!。
ピンク色の生地で、可愛いキャラクターの刺繡がしてあるしっかりとしたものだった。
ゆう子「おぼえてる?」
「当たり前だろ、俺が選んだものだよ」(噓です、長谷川さんが選んだもの)
ロープウェイが動き出して、揺れた瞬間にゆう子の膝の上にあったハンドタオルが、ゆう子と私の膝の間に落ちかけた。
私は、慌ててそれを元に戻そうとした時!
そのタオルの下から私の手をギュッと握った!
私は、はっ!としたが、目の前の二人は気づいていなかったので、私もギュッと握り返した。
そのままゆう子は黙って、外を眺めている。
私は、そんなゆう子の横顔に見とれてしまう。うん!可愛い。
お互いに手を握ったまま、会話もなく静かな時は流れた。
ロープウェイも程なく終わり、また別行動。
男子は、またカリブの海賊へ、女子は最後のお買い物タイム。
後は出口で待ち合わせ。
ラストタイム
さすがに帰りのバスは混んでいて、別々になってしまった。
バスの中で私は、ずっと考えていた。
俺、ホントはずっとゆう子のことが好きだったのかなぁ。好きって何だろう?なんかいつも学校に行けば笑いかけてくれて、話しかけてくれて。手作りの物もいっぱいくれたし、学校を休んだ次の日は心配もしてくれた。俺はゆう子に何をしてあげただろうか?顔は可愛くないとか、近寄るなうぜーとか。文句ばっかり言ってきた。でもゆう子のおかげで楽しかった、いやゆう子が好きでいてくれてこの一年間めちゃめちゃ楽しかった。俺、男女が付き合うって意味よくわからないけど、伝えようと思った。
俺もゆう子が好きです
バス停で降りると、ゆう子たちが待っていた。
自然とお互いに駆け寄る。
そして、なぜか誰もしゃべらずに沈黙が。
私も緊張していた、女の子に告白などしたことないから。
沈黙を打ち破り、ゆう子が私の手を取り少し離れた場所へ。
持っていた袋から、立体的にデザインされたカンカン(クッキー)をくれる。
ゆう子「これ、おみやげ」
男子はゲーセンでお金を使い果たして、おみやげは誰も買っていないけど。
私は、黙って受け取った。
そして、好きな気持ちを伝えようとする!
ゆう子が右手を差し出して言う
ゆう子「今までありがとう、すごくたのしかったよ。ワニオのこともずっと大好きだったの。でも、お互い中学に上がったらいろいろあると思うし、私は、バレーボール部に入って頑張りたいんだ。だから今日で終わりにするね。今までいっぱい迷惑かけてごめんね、胸をいっぱい触られたけど、それもうれしかったよ。ワニオ!好きでいさせてくれてありがとう。」
私は、何も言えずに、右手を出して、ゆう子の手を握る。
握手
「さようなら」
ゆう子は、ニコッと笑って手を振る!
「えっ!これって?」
女子たちは振り向かずに歩いて行った。
笑いあって、とても楽しそうに。
残った男子は、人もまばらになったバス停にポツンとたたずむ。
小学生離れしたごっくんボディ、顔もかわいい、パーフェクトなゆう子。
大人になったゆう子に、子供のままのワニオは置いていかれました。
そして
中学生へ
カリブの海賊1日乗船記録
こちらをクリック
連続7回
他3回
計10回
でした
小学6年生シリーズ長い間読んでいただき
誠にありがとうございました
おわり
\小学6年生シリーズを初めから楽しみたい方はこちら/
コメント
コメント一覧 (2件)
ワニオさん
いつも読ませて頂いて居ます。
思春期の淡い思いが誰でも経験して居ると、思います。何故か思い出させる事でしたね?凄く感動的でした。☺️私も同窓会有りましたが、その後も楽しく話しましたね。後期待して居ますね😊又此からも読ませて頂きますね☺️
石田正子様コメントありがとうございます。思春期の思い出は永遠ですよね!同窓会の後楽しくお話ができたとのこと、素敵な思春期とお察しします。これからも赤裸々に思い出日記書いていくのでよろしくお願いします。