約束してしまった!
その気もないのに
その場から逃れるために
苦し紛れに
あたふたと眠れない夜を過ごす
おバカ男子の話
\前回のお話はこちら/
土曜の待ち合わせ (高校1年)
約束してしまった。土曜の夕方に駅前のマック。
駅前にはふたつのファーストフード店がある、男友達と行くときはファーストキッチンだが、女子と行くならマクドナルドと決めていた。理由?そんなものない。
この日がくるまで悩みまくっていた、まずはネネと付き合うのか、もうひとつはエッチなことをするホテルに行くことになるのか。
女子の身体に興味深々、お胸はどれだけ柔らかいのか?お肌はどれだけスベスベなのか?
そのようなホテルとは何があってどのようになっているのか?
もし間違ってしまったら、結婚して責任を取らなくてはいけない。
学校辞めて働かなくてはならなくなる。まだ入学したばかりなのにだ。
結論…嫌だ!!
もっともっと燃えるような恋をして、大好きで大好きで居ても立っても居られない人と結ばれたい。
しっかり断ろう!
土曜日、学校はお昼までで家に帰ってきた。
土曜の午後は家に誰もいないから、ペヤングソース焼きそばを食べることにした、お湯は沸かしてある。
毎朝お母さんがお湯を沸かしてポットに入れてあるから、カップの封を開ければすぐに作れるようになっている。
俺は高校生なんだから自分でお湯くらい沸かせるって言っているのに、「火事になったらどうするの!」と言ってガスコンロは使わせてくれない。
\学生時代の定番/
食べて寝てしまった。この時点で恋していない、なんの緊張感もない。
待ち合わせは5時だから4時半にお母さんの目覚まし時計をセットしておいた、お母さんが起こしてくれるから自分の目覚まし時計は持っていない。
一応歯を磨き、マンダリンの洒落た香りのムースをベッタリ塗って(昼寝で寝癖ができた)。
白いヘインズのTシャツにリーバイス505という定番ファッション!
チェックのネルシャツに身を包み準備OK。
気分は吉田栄作だ!
15分前に家を出る。
あ~だるい!!
これからどうするの? (高校1年)
四月の後半、夕方5時は少し寒く、少し暗い。
自転車で駅前に向かう、家からマックまで5分もかからないので10分前には到着する。
ネネはもう来ているのか?少し手前の西友に自転車をとめて歩いた、角を曲がるとマック。
ネネの前に。
当時浦安駅前には、ポッポちゃんのモニュメント(四角い石の支柱の上にハトが一羽とまっているもの)が立っていて待ち合わせの目印にしていたが、すぐにハトが盗まれてしまう、ほぼ支柱のみだった。どこかのモニュメントも髪の毛がよく盗まれていると聞く。悪いやつがいるもんだな。
※浦安市に興味のある方は是非ポッポちゃんをクリックしてみてください
(冒頭の写真の右下にモニュメントが写ってます、探してみてね)
角を曲がるとネネがマックの前で立っていた。
ネネのお顔はパグ(犬)だが髪型は少し天パがかっていてちょうどよく聖子ちゃんカットのように見える、服装は胸元がはち切れんばかりの白いタイトなワイシャツにこちらもお尻にパンツのラインくっきりのタイトな膝までのスカート(色はベージュ)。
「あれ!ネネ待った?」
ネネは黙って首をふり下を向いた。
「歩いてきたの?」
「金子に自転車で送ってもらったの」
そう、金子!前回の駅前で会った時もいたやつ、中学の時は背も低く、誰にでもペコペコして調子のいいやつ。とにかくエロい、むっつりスケベというのが正しい表現だ。エッチな本はいっぱい持っているし、女子をすぐに自分の部屋に誘い込む。お金持ちで家もデカイ。そこがまたムカつく。
金子は俺にもペコペコするがなんか信用できなくて嫌いなやつだ。
この金子とネネの妙な距離感が気になったが、まあいい。
「ネネ!マックくおーぜー!」
お店は、さすがに土曜の夕方で混んでいたが、二階席の狭いところにネネを座らせて、俺が買いに行く。ネネに食べたいものを聞いたが、俺と同じものでいいらしい。
当時の俺のお気に入りはフィッシュバーガーセット!!
ポテトに飲み物はコーラ。
ネネはお金を出そうとしたが、
「金なんていらねーよ、おごるよ!」一応カッコつける。
家に帰ったら「お母さん、夕飯代ちょうだい」って言うけど。
一瞬だけどネネはフィッシュバーガー見て止まった気がしたけど、俺は好きだから関係ない。ネネは嫌いだったのかな?
会話はない、今のようにスマホなんてない時代だから、ただ外を眺めながら黙々と食べる。
考えてみればネネとは中学時代からまともに話もしたことがないし、2人になったこともなかったな。
でもね!俺が横目でチラチラ見ていたのは、ネネのワイシャツの胸元。
両手で持ったフィッシュバーガーを口に運ぶたび、ボタンとボタンの間に隙間があいて肌色のもっこり谷間と白いブラジャーが見えるのです。
実はお肌の毛穴まで確認できる、なんというチラリズム。不思議とお顔までかわいく見えてくる。
ここ俺の悪いところ、性欲により見え方が変わってしまう、今もそう。
ネネは下を向いているしこっちを見ないから、最終的には俺ガン見。
口元⇒胸元⇒口元⇒胸元⇒胸元⇒胸元
このワイシャツを作った人はすごい、ボタンとボタンの間に谷間がくるように綿密な計算がされているのだろう。
ネネはフィッシュバーガーをちょこっとずつしか口に入れないから、長い間その光景を楽しめた。
おい!ワニオ
付き合っちまえよ
お前あのワイシャツの中みたいだろう!
顔なんて関係ねーよ!ネネはお前に惚れてんだよ
何してもOKなんだぜ!童貞消失のチャンスだぜ!
ワニオ!ダメ!
ネネちゃんを傷つけてはイケナイ
自分の欲望で人を傷つけることはダメなの
自分の気持ちを正直に話しなさい。
(頭の上でやかましい!)
「ネネ、食べたらさ、海見に行こうぜ!俺自転車できたからさ、後ろ乗れよ」
ネネがコクンとうなずいた。
それ投げちゃダメ! (高校1年)
浦安で育った俺は子供の頃から海によく行っていた。
友達と魚釣りもやったし、失恋したり、好きな人ができたり、嬉しいこと悲しいことがあるたびに自転車で海に行く。
自転車、オートバイ、車、と長い間通っていて、ここには青春が散らばっている。
マックを出て海に向かう!!
今は見ないよねこんな乗り方
ネネはガッチリ俺の肩に抱きついて、自慢のお胸をグイグイ背中に押し付ける。
春先のまだ冷たい風の中で伝わるぬくもりと柔らかい感触!
そして段差でブルンブルンと揺れるゴムまり!
俺のうなじに口をつけるのやめてほしかった。
ゾクゾクしちゃうから!
頭の中には、また悪魔が!
OK!!
付き合っちまえ!
なっ、今日はキスしよ、なっ!
このお胸はお前のものだぜ!
あれ!天使がでてこない!?
海に向かうには工業団地を抜けなければならない。
この当時はまだ土曜日に稼働している会社がほとんどで、外灯の少ない通りでも工場のあかりで安心感はあった。
海には自動販売機などはなく、飲み物は手前の工業団地で買っていくしかない、
「ネネ!なんか飲もうか?」
「私はいらない」
自転車をとめて、ホットのマックスコーヒーを2本買う。
海へ到着。
着いたのになかなか離れないネネ。
俺はちょっとイラつきながら肩の手を払い、無理矢理自転車をとめてブロックに腰かけた。
ネネは下を向いて立ったまま、俺は更にイラついて「こっち座れよ!」と少し乱暴に言ってしまった。もちろんすぐに後悔して言い直す。
「こっちきて座ろうよ、ネネ。」
強い言いかたにビックリしてしまったのか、
なぜかネネは泣きそうな顔になっていて、俺はヤバいと察知する。
一度座ったけど、もう一度立ってネネの肩にそっとふれて座らせた。
ここで俺!気を抜いて大きいため息が出てしまった「フンーーー!!」っと。
やっちまった
ネネは座りながら後ろに立っている俺をくるっと振り向いて見る、目は涙目だった。
間違いなくため息に気づいた
よね。
(ヤバい、泣いちゃう、確かにこのため息、めんどくせーなのため息。でも泣かれたらもっとめんどくさいことになる、どうしよう、考えろ俺)
「寒くない?」
とっさに着ていたネルシャツをネネの肩にかけた。
続けて!
「寒いよね!」
ホットのマックスコーヒーを手渡した。
ブロックに座るネネ、肩には俺のネルシャツ、手にはマックスコーヒー、涙目で海をみつめる。
その後ろでご機嫌をうかがいながら、ドキドキ立ち尽くす俺。
沈黙が流れる。
Tシャツだからなのか、
寒い。
ふるえる俺。
さらに沈黙が続く。
突然ネネが立ち上る!!
そしてこう言った!!
だから!!
なんでよー!!
私の何が
いけないのよー!!
持っていた
マックスコーヒーを
海に向かって
思いっきり
ぶん投げた!!
と同時に
俺のネルシャツが
下のテトラポットの間に
落ちたー(泣く)
ネネー
それ投げちゃダメーー!!
つづく
昭和レトログッズ
本物は高くてなかなか手が出ませんがミニサイズなら大丈夫
大人なら出来ます
ガチャガチャフルコンプ
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