1987年
3月、小学校を卒業。
6年1組
おませな女子 おバカな男子
卒業記念ディズニーランド。
1年間楽しかった。
いや、凄く楽しかった。
「楽しかった」に、凄くをつけてくれたのはゆう子。
何故、人はそばにいる大切な人に気づかないのか?
おバカな私。
ゆう子の猛烈なアタックに酔っていたのかもしれない。
「うる星やつら」のラムちゃんに追い回されている、諸星あたるのように。
「theかぼちゃワイン」のエルに追い回されている、春助のように。
気づいた時には時間切れ、タイムアウト!
ディズニー行バス停で最後の
「さようなら」と握手
そこから二人は、新たな青春へと
旅立った。
なんて!
フラれて落ち込んでいられない!
(正確には何も言っていないけど)
どうにか
ゆう子をもう一度振り向かせるべく
最後の悪あがき。
【あれから二人】
\実質フラれた夜はこちら/
長電話
ディズニー当日の夜
女子たちが帰った後、男子は近くの公園でマックスコーヒーを飲みながら今日の反省会。
みんなはテンション高めの爽快な疲れ。
私は、陸の孤島にひとり取り残されたような寂しさに包まれていた。
言葉少なげに家に帰る。
家ではお母さんが、最高のテンションでお出迎え。ちょっとムカつく。
でもディズニーへ行く時にお小遣いを貰ったので、我慢して今日の出来事を話す。もちろん、女子のことはシークレット。
電話
ゆう子のことを考えて数日がたった。
不思議なもので、会わないと会いたくなるし、顔を見ていないと頭の中でどんどん美化される。
私の頭の中では、とうとう高井麻巳子に成り代わっていた。
※高井麻巳子・「おニャン子クラブ」会員番号16番。後に会員番号19番岩井由紀子(ゆうゆ)とユニットを結成。「うしろゆびさされ組」デビュー曲は「ハイスクール奇面組」のオープニングテーマ。
ある日の夜。
8時半頃だったと思う。電話が鳴る。
チリリリリリリン・・・チリリリリリリン
家は4畳半二間の狭いアパート、どこにいても電話の音も話し声も聞こえる。しかも玄関に電話が置いてあるからなおさら目立つ。
電話にでるのはお母さんの仕事だ。
お母さんがでた。
母「はーい、こんばんは~、はい、はい、はい、ワニオね」
「ワニオ~ゆう子ちゃんだってよ~」
なんかそんな気がしていた!でも家には高校生の兄とお母さんがいる、聞かれるのは恥ずかしい。
私は、電話線をめいいっぱい引っ張って、玄関の隅で隠れるように電話にでた。
この光景は高校を卒業して社会人になっても続いていた。
ワ もしもし、ゆう子久しぶりじゃん
(一週間ぶり)
ゆ「ワニオ、元気?この前はありがとう」
1メートル角程の狭い靴だらけの玄関にしゃがみ込み、受話器を隠すように小声で話した。
私たちはまず、先週のディズニーランドの事を話した、どうやらホーンテッドマンションで私がビビっていたことがばれていた。
話が盛り上がる、楽しい。
15分程話した時、お母さんが何気なくそばを通る、「いつまで話しているの!」
私は、即座に受話器の口を抑えて、「なんだよ!聞くなよ」と怒るが、耳をすませば家中聞こえている。
兄に女の子から電話が来た時も、私はしっかり聞いていた。
気を取り直して電話の続き。
ゆう子が真剣なトーンで話し出した。
それは、
ディズニーの帰りにバレーボール部に入りたいって話したでしょ。
私ずっとバレーボールがやりたかったの、でもね、2年生の時に憧れていた担任の先生に、マーチングに入れって言われて仕方なく始めて。
ずっと嫌だったけど、やるからには一生懸命にやろうと思って。
そうしたら部長になって、もっと辞められなくなってしまって。周りの人たちもゆう子ちゃんはすごく似合っているねって言われるし。
6年の時はホントに嫌で。
でもワニオは、私にマーチングの話を全然しなかったし、いつもふざけて笑わせてくれたじゃん。
だからワニオには感謝しているんだよね。
確かに私は、マーチングの話はしていない。
それはお胸にしか興味がないから。
なんて言えない。
まあ、ゆう子を救っていたのならよしとしよう。
またお母さんがくる「長いわよ、いつまで電話しているの!」
ここまで30分。
受話器の口を抑えて
「うるさいな!ほっといてよ!」
ゆう子は続ける。
私は、本気で春高バレーに憧れているの。
中学で頑張って、推薦でバレーボールの強い高校に行きたいと思っていて。
だから、恋愛していたらダメだと思うの。
ずっと音楽をしていたから、体力もないし、ゼロからだからさ。
ワニオは何か部活に入るの?
私は、何も考えてはいなかった。
友達から陸上部に誘われていたので、たぶん陸上部に入る。
話の途中で、どうにか自分がゆう子のこと好きな気持ちを伝えたかったが、最後まで言えなかった。
それは、お母さんと兄が聞き耳立てているからではなく、ゆう子のバレーボールに対する熱い気持ちの邪魔をしたくなかったから。
次は兄がきて「男のくせにいつまで話しているんだよ」
私は、受話器の口を抑えてシカト。
その後はたわいもない話だったが、時間を忘れるほど楽しかった。
違う!時間は忘れない、なぜなら、お母さんが15分毎に文句を言いに来たからだ。
私は、何も伝えられないまま電話を切った。
切ってすぐお母さんに!
「電話くらいゆっくりさせろよ!なんでいつも邪魔ばかりするんだよ!」
ブチギレた!!
中学校入学
中学入学。
私は、陸上部に入部。(おバカ男子のうち2人で)
ゆう子はもちろん、バレーボール部(おませな女子5人も)
クラスは
私は、1組。
ゆう子は、8組。
ワンフロアのはじとはじになった、そしてやじさんは8組の担任に。
普段はまったく見かけることもない、トイレの場所も別。
しかし私はいまだに、ゆう子への想いを抱いていた。男って女々しい。
それでも神様は、私を見捨てない。
陸上部の練習はいつも校庭だったが、基本体育館のバレーボール部も週に一日だけ校庭で練習をする日があった。
中学には部室がなく、校舎の壁沿いに区切って、かばんなどを置く場所が設けられていた。
野球部とサッカー部は、ど真ん中に広く陣取り、陸上部は端の方。
そしてテニス部を挟んだ隣が女子バレーボール部の置き場所。
おませ女子5人が校庭で走っている姿を見ると、やはり運動をあまりしてこなかったようで、顔を真っ赤にし汗びっちょりになっていた。
またその姿も私にはドッキュンドッキュン突き刺さる。
白いぺろっぺろの体操着に、ぱっつんぱっつんのブルマ。
すれ違う時にはできるだけ近くを通ると、あのゆう子のいい香りと汗のフェロモンが混ざり合って、とんでもなくいい匂いになっていた。
私は、すれ違う時にはゆう子の方を見るが、ゆう子は横目でチラッと見るだけで無視をする。
絶対に私の視線に気づいているが、無視をした。
たまに放課後、体育館の外からのぞいたりもした。
走る時もジャンプする時も、あのお胸は邪魔だろうなと考えるも、私には魅力的過ぎる。
部活の午後練の前に荷物置き場で待っていたが、無視。
すれ違う時に目を合わせようとしていたが、無視。
部活終わりに校門で待ってみたが、無視。
1ヶ月、私はゆう子に気持ちがあるよアピールしてみたが、無視をされつづけた。
ゆう子の背中が語っていた、
「バレーボールに集中したいから邪魔をしないで」と。
いつからか私もゆう子のことを見なくなっていく、でもすれ違う時の匂いだけは感じていたけど。
こうして
二人は別々の道へ
話をしたのは
あの電話が
最後だった
救世主
そんなキレイにゆう子のことを忘れられる訳がない。
すっぱり諦めるには訳がある。
5月になってから、陸上部に新しい部員がやってきた。
1年男子は、私を含めて7人。
1年女子は、8人いたが、みんなそれなり。(察してください)
1人で入ってきた新入部員は女子、
長距離希望。
ルックスは、髪が短くボーイッシュ。
内田有紀のような感じ。
とにかくずば抜けて足が速くて持久力もあり、県大会レベル。
その走りも独特で、右手一本だけ振って走る。(大会は普通)
左手はというと・・・・・・
体操着のシャツのお腹あたりを握って、前に引っ張っている。
なぜ左手でシャツを前に引っ張るのか?
こちらをクリック
バルン
バルンな
ダイナマイトボディーを
隠すため
そうです!!
ゆう子を超える、ダイナマイトなロケット乳の持ち主。
揺れるのを隠すために、いつも左手でシャツを引っ張りながら走っていた。それでも速い。
ゆう子、ごめんなさい。
俺は出会ってしまいました。あなたを超えるダイナマイトに。
こんなの初めてです。ボーイッシュなのにお胸はダイナマイト、おまけに足首がギュッと締まっています。
顔は内田有紀。
一目惚れです。
神様、俺は一目惚れをしました。
ゆう子!さようなら、部活頑張ってね!
この救世主の名前は!
新垣 えみ(仮名)芸能人の新垣結衣はガッキー、私たちは新垣をガッキと呼んでいた。(もちろんこっちが先だよ)
私は毎晩毎晩、ガッキのダイナマイトボディを考えながら寝た。
左手で引っ張ったシャツの中を想像。
夢の中で触れますように。
ゆう子のことは忘れて
ガッキに夢中のワニオ。
ここからまたトラブルに
巻き込まれてしまう。
続く
昭和レトログッズ
本物は高くてなかなか手が出ませんがミニサイズなら大丈夫
大人なら出来ます
ガチャガチャフルコンプ
コメント
コメント一覧 (2件)
ワニオさんスラスラと読め毎回若き日を思い出しながら、とてもその次が楽しみです(^o^)v
きの
石田正子様コメントありがとうございます。たっぷりと若き日を思い出してください。若返りホルモンがガシガシ出てきますよ。思い出は脳内サプリです。