ブラジル人の友達、マルコス!最終章

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マルコスの部屋でお父さんを待つことになった私ですが、どうも落ち着かずに玄関の前の倒れた自転車を見に行く事に、自転車は前のタイヤのフレーム自体が曲がりこれは再起不能だなと思いながら、でもマルコスの家から会社までは自転車で1時間はかかります、徒歩だとバスー電車ーバスー徒歩と1時間以上かかる、かなり遠回りな行き方になってしまいます、それをこの痛めた脚では無理だなとも思いました。

そんな時、遠くの方から男性が2人こちらを見ながら歩いてきます、1人はマルコスのお兄さんで、もう1人は蛾次郎?? でもないや!

お兄さんが歩きながらお父さんに私の事を話している様子です。

私は、あの写真は髪型がそう見せていたんだなと、確かにずんぐりむっくりな体系で口ひげを生やしてはいますが、髪型はポマードのてかったオールバックです。表情はとても優しそうでした。

お父さんは私に、深々と頭をさげて、マルコスがいつもお世話になってますと言ったので、私も頭を下げて「こちらこそ、楽しくさせて頂だいてます」と、頭を上げてすぐに「お父さん疲れてるところ申し訳ありませんが、マルコスのことでお話があるんですが大丈夫ですか」と言いました。
やはり日本人です、その私の言い方で察したらしく、お兄さんに先に家に入るように指示をして、私をお父さん宅へと招きました。

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目次

お父さんと2人で

家に入るとアマゾネスが迎えてくれましたが(今日はお化粧バッチリ)お父さんはマルコス兄弟の方にいっててと言いアマゾネスも出ていかせました。

私は、この時そこまでしなくてもいいのと思ったのですが、それには理由があったみたいです。

ここからは私とお父さんと2人の話です。

お父さん、マルコスはホームシックです。

「そうだね、元気がないんだよ」

もう少しだけ電話で話す時間を増やしてあげれないですかね?

「国際電話はお金がすごくかかるんだよね」

頑張って仕事もしてるし、最近の不運も重なって精神的に参ってるみたいなんで。

「わかってるんだけど・・・・」

マルコスはまだ純粋な子供だから、可哀そうで。

「わかってるんだけど・・・・」

なんだか煮え切らなく、見た目よりも情けない感じだ!
私もイラッとしてしまい!

いろいろ厳しいのは分かりますが、マルコスはブラジルに帰らせたほうがいいですよ!

「・・・・・」

急には無理でも、お給料が出たら帰れるんじゃないですか?

「・・・・・」

このままじゃマルコスはダメになっちゃうよ!

「・・・・・」

お母さんだってブラジルで待ってるんだから!なんで帰らせないの!

黙っていたお父さんが話だしました。

違うんだよ、ワニオさん。
あいつは(きっとマルコスの母)向こうで、向こうの奴と結婚するんだよ
それで子供たちが邪魔になったから俺の所によこしたんだよ
まあ向こうより日本のほうが裕福かもしれないしね
兄弟は出稼ぎじゃないんだよ、あいつが追い出したんだ
もうブラジルには帰るところなんてないんだよ、あいつは日本のことを忘れたいらしいからさ

私は、ショックで、何も話すことができなくなってしまい、頭にはマルコスの大げさな包帯と松葉つえの姿が浮かびます、自然に涙が出てきてしまい私は、下を向いたままでした。
続けてお父さんが話します。

ワニオさん、今までマルコスを可愛がってくれてありがとう。
俺達は引っ越すんだよ、
1人で大丈夫だったらマルコスはここに置いて行こうと思ったんだけど
無理みたいだから、会社は辞めさせて俺と一緒に連れていくよ
俺のダンプの助手させるよ、上も同じ現場だから一緒だし(お兄さん)
千葉の木更津に行くんだよ
マルコスには可哀そうだから何も話してないから、ワニオさんも聞かなかったことにしてくれるかな
今週の日曜日に引っ越すんだよ
本当にありがとう、ワニオさんには感謝しているよ
飯でもどう?

ご飯なんて食べる気になんてなりません、
いろんな感情が押し寄せて自分自身も訳わからなくなってしまい、マルコスだけではなく私も子供なのです。
わかりました、失礼しますと頭を下げてそのままバイクに乗り込み、ここでエンジンかけるとマルコスに見つかると思い、離れたところまで押していきエンジンをかけて、私は学生時代からよくバイクで行っていた地元の海へ行きました。

夜の海

実はこの日がマルコス一家との最後の夜でした。
子供だった私は、この物語が消化できずに逃げたんです。


正直マルコスと最後に話した言葉すら思い出すことはできません。

会社の社長のもとには、菓子折りをもってマルコスのお父さんが
きたそうです。

私もこの後、会社を退職してしまったことで
ブラジル人の友達マルコスは思い出に変わりました。


ワニオサン ネー ボクネー



最後までお読みいただきありがとうございました。



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コメント

コメント一覧 (1件)

  • う、切ない…。マルコスには帰るところは実はなく、でも帰れば優しい母が待っていると。もう今となっては気づいているのでしょうか。いや、マルママはやはり実の息子への愛情を呼び覚まして、ブラジルにて楽しく暮らしているか、木更津にて日本文化に慣れて自分のファミリーを築いている未来になっていて欲しいと願いたいですね。

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