小学6年生【反抗期の悲劇】おませな女子、おバカな男子 <第3話>

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小学6年生
(11~12歳)

男子

異性を意識し始める
異性を意識すればするほどに
子供扱いする親に腹が立つ

「僕は子供じゃない、もう大人だよ」
と子供しか言わないセリフを子供は言う

真冬の窓ガラスのような
真夏の冷えたグラスのような
温度差に結露している
思春期

\おませな女子、おバカな男子シリーズ第1話はこちらからどうぞ/

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目次

女子のケンカ勃発

前回のあらすじ

体育館の裏に呼ばれ、バレンタインチョコ(手提げ袋とチョコ、全て手作り)を貰うワニオ。

大人になってわかるが、あのシチュエーションはチューだと思う、ゆう子のしぐさはチューを求めていたに違いない。

小6の私には刺激が強すぎて逃げてしまった。

ハーハーと息を切らして帰る息子をお母さんが見逃すはずもなく、

「どうしたの?その手提げ袋は?」

親に監視されている気がして、腹が立ち

「ゆう子にもらったんだよ!」

とだけ言って黙った。

ここまでが前回のあらすじ。

このイラだった一言が事件を巻き起こす。

ぶ厚いチョコ

その日の夜は学校の保護者会があり、お母さんが学校に出て行った。
(昔は夕方から学校に行くことが多かったような)

当時は兄も父も帰りが遅く、お母さんがいないと9時ぐらいまでは1人になれる。

お母さんが出て行って、すぐにゆう子のチョコを取り出す、箱の中には細かいワラのような紙が敷き詰められ、そこにぶあっついハート型のチョコが、

チョコには、「ワニオ君大好きです」と書いてあった。

お母さんに見られたくないが、隠す場所もないので、お母さんが帰ってくる前に全部食べることを決断。

世間様の言う食べ過ぎると鼻血でる、その感覚を身に染みて分かる瞬間だった。

鼻から息をスーっと出すと、鼻の中が熱くなる。

そしてお母さんが帰ってきて何か言っていたが、聞かずに就寝。

といってもチョコ食べ過ぎて気持ち悪く眠れなかったけど。

泣いてるゆう子

次の日の朝学校に行き、教室のドアを開ける
ガッツリ泣いているゆう子








いつもは私よりも学校に来るのが遅いゆう子が、教室の後ろでスカートをバーッと広げ、お姫様が困った時のように泣いている。

肩もビックんびっくん揺らしながら。

私は、おませ女子が集まってくる前に、どうにか収めようとゆう子のもとに走る。

(すっかり昨日のチューバックレのことで泣いていると思い込んでいるワニオ)

「昨日はごめんね」とお胸ツンツンではなく、肩ツンツン。

ゆう子は、肘をぶんと振り回し泣き続ける。

「昨日は・・忙しかったから・・ごめん・・」それでもゆう子は泣き止まない。

噓は絶対につくな、目を見ればすぐにわかるのだから。

出典お母さん

「昨日は塾もあったし、おばあちゃんも具合が悪かったんだよね~・・」

塾も行っていないし、おばあちゃんもピンピンしている。噓をついた。

もう一度肩をツンツンする。

ゆう子は涙でびちょびちょの顔あげて言った。

ワニオじゃない
ワニオが悪いわけじゃない
でも私は許さない!!

「????」私じゃない?許さない? 私は諦めて席に戻る。

と同時におませ女子たちがゆう子のまわりに集まった。

女子のお悩み相談室が始まる。



先生が来る頃には落ち着いた様子でゆう子は席に着いた。

私の隣の席に。そうです、やじさんの粋なはからいで3学期最後の席は自由だった。

この一年間でゆう子と席が隣になったのは3回目。

席についてもゆう子は机に突っ伏したままだったが、泣いてはいない。

二時間目の休み時間

ずっと机に突っ伏していたゆう子とおませ女子たちが動いたのは、2時間目の長い休み時間(15分)

クラスではまったく存在感のない
森さんの席を囲むようにしていた。

森さんとは

実は私のボロアパートの裏にある高級マンションに住んでいる。
お母さんどうしは仲良くしているようだが、私は一度も話したことすらない。
というか森さんは無口でおとなしくジッと座っているタイプの子。

金太郎

容姿は、金太郎さん

カッツカツのおかっぱ頭で、しかもヒゲがめちゃめちゃ濃い(女子です)
(当時はけっこうヒゲの濃い女子がいた、剃ってないだけ?)
まさかり担いで熊に乗って登校はしないが、絶対に似合うだろう。
もちろんちゃんと洋服は着ている。

ゆう子を筆頭にものすごいけんまくでまくし立てている、イジメ?

ゆう子はすごい顔でにらみながら、森さんの肩をつかみぐあんぐあん揺さぶっている、どうもゆう子は森さんに怒っているようだ。

森さんは席に座ったまま、やられるがままだった。

それを助ける女子もいないし、そもそも森さんには友達がいない。



あんなにおとなしい森さんが悪さをするわけもなく、おませ女子と絡むことも初めてみた、なにがどうなっているのか、まったくわからないが。



そしておませ女子に森さんは泣かされた。

次の授業からは森さんとゆう子の2人が机に突っ伏している、これにはさすがのやじさんも気になったようで、1人ずつごもごもとナイショ話をして聞いているようだった。

そして、昼休みにおませ女子と森さんは別の教室でやじさんと話し合いをしているようだった。

クラス中不穏な空気になったが、われわれ男子は関係なく遊んでいた、私もゆう子が怒っていないことに安心してたっぷり遊んだ。

ケンカの理由

5時間目が始まる時に「ワニオ!ちょっといいか」とやじさんに呼ばれて廊下に出る。

「ワニオ、おめーモテるなー」

それほどでもないけど、なんの話だろうか?

「ゆう子と森だけどよー、おめーどっちかに決めたほうがいいぞ」

どっちか?どっちかって、ゆう子にしかチョコもらっていないし?

「昨日の保護者会でよー、おめーの母ちゃんと森の母ちゃんが話しているのをよーゆう子の母ちゃんが聞いちまったらしいんだよ」

えっ!なに!なにを!

「森の母ちゃんに手作りの手提げ袋とチョコを息子がもらったって、ありがとうってよ」

森さんからは何ももらっていないけど?

「ゆう子の母ちゃんが、そんな女に負けるなってゆう子に言っているみたいでよー」

さっぱり意味がわからないが、森さんとゆう子のケンカの理由は私だった!

やじさんにチョコをもらったのはゆう子だけで、森さんからはなにももらったことないし、話したことすらないと伝えた。

じゃあなんでお母さんが森さんのお母さんにお礼など言ったのか?

まとめ

保護者会の席でうちのお母さんが
もらってもいないチョコのお礼を森さんのお母さんにした
それを聞いたゆう子のお母さんが怒り
(ゆう子はお母さんと仲良しでなんでも相談している)
取られた男は取り返せとの
アドバイス

親子ケンカ

放課後、急いで家に帰った。

玄関を開けて、ただいまも言わずに叫んだ!

「お母さん!昨日、森の母ちゃんに何言ったんだよ!」


玄関から1番奥の台所にお母さんはいた。

「おかえりー」と言いながら部屋と台所の境目にある、木の玉がいっぱいぶら下がったのれんをかき分け顔を出した。

そして、のれんをはさんで台所と玄関の親子喧嘩が始まる。

なによ、お母さんは森さんにお礼を言っただけよ

「なんだよ、お礼って、俺のことなんだからほっといてくれよ!なんで親が出てくるんだよ」

あら!あんた生意気なこと言って、あんたは子供でしょ、親がお礼するのは当たり前なの!お母さんはそんな常識のない親じゃないわよ!


「カッコ悪いんだよ、そんなの!常識とか関係ねーよ!お礼するかしないかは、俺が決めるんだよ!」

お母さんだって、お礼しに行った訳じゃないわよ!保護者会に一緒に行ったからしたのよ!



違う違う、論点が違う、森さんには何ももらっていないこと

「ちげーよ!誰が森にもらったって言ったんだよ!」

あんたが言ったんでしょ!お母さん間違ったことしていないから!


「お母さん間違っていないかもしれないけど、間違えたんだよ」

あんたは間違いなくゆう子ちゃんにもらったって言ってたわよ!


「そうだよ!ゆう子だよ!」



えっ!・・・・

「んっ!・・・・」

理由が明らかに!!
こちらをクリックしてください!

森 裕子
中村 ゆう子


この年代ゆうこ
豊作!
学年に5~6人は
必ずいた
うちのクラスには
この2人
ちなみに男子は
「だいすけ」












ゆうこちゃんて2人いるの?

「森の名前ってゆうこなの?」

そういえば、森さん、娘から何も聞いてないって言ってたわ!
でもお母さん、昨日の夜言ったじゃない!
森さんにお礼を言ったのよって!

たしかに何か言ってたけど、聞いてなかった。

ちゃんと聞いていれば朝の段階で話は終わっていたはず。

お母さん、2人の家に電話しようか?

「うん」

いや!ダメダメ!もっとカッコ悪いじゃん!

「自分でどうにかするから、もういいよ!」






次の日、森さんに謝ったが、すでにお母さんが電話で訳を話し、謝っていたらしい。

ゆう子には自分で訳を話した。

ゆう子の顔は、台風一過のようにギランギランに急速に晴れ渡り、とびきりの笑顔で

「そうなんだ~!よかった~」と。

しかし、ゆう子は森さんとその後、一切口も利かず卒業を迎えることになる。

私が悪い
すべての原因は私にある
結露の水滴で女子を濡らしてしまった

しかし
今回学んだことは



女は怖い



ゆう子は今まで以上に積極的になり、そして卒業へと向かう

つづく

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